2024年3月上旬にLGから発売されたIPS Black搭載の32UQ850V-Wは、あまりレビューが出ておらず購入するのが少し不安でした。
加えて筆者が本製品を購入を検討していた時は、Amazonですらレビューはなし…
そんな時に開催されたAmazonプライムデー(2024年)の先行セールに、本製品がセール適用価格で登場!
スペック的にはまったく不満がなかったことから、思い切って注文を決意しました。
本記事では筆者と同じように、レビューが少なく購入を悩んでいる人に、購入の後押しとなるような内容を紹介します。
ぜひ最後まで本記事を読んで、美しいIPS Blackによる映像美をご自身のデスクで堪能してください。
LG 32UQ850V-Wについて
黒の表現力をより高めたIPS Blackを採用して、コントラスト比を2000:1まで向上させたのが32UQ850V-Wです。
ここでは、32UQ850V-Wの製品ページを元に、選ぶ際に必要となりそうな内容をピックアップします。
※詳しく知りたい方は、公式サイト(こちら)を確認してください。
32UQ850V-Wのスペック
32UQ850V-Wの主要スペックは、下表のとおりです。
32UQ850V-W | |
梱包サイズ | 821 × 213 × 507 mm |
本体サイズ | ディスプレイ単体:715 × 420 × 45 mm スタンド装着時:715 × 488〜598 × 239 mm |
重さ | ディスプレイ単体:5.3kg スタンド装着時:7.2kg |
調整機能 | チルト:-5〜20° ピボット:右90度(左には回転しない) 高さ:110 mm スイベル:× |
同梱物 | HDMIケーブル ×1(1.5m) USB-Type-Cケーブル×1(1.5m) DisplayPortケーブル ×1(1.5m) USBケーブル×1(1.5m) AC-DC アダプター×1(1.5m) 電源コード×1(1.5m) クイックセットアップガイド 保証書 |
端子 | DisplayPort入力 ×1(Ver. 1.4) USB Type-C ×1(最大90W) USBダウンストリーム ×2(USB3.0) USBアップストリーム ×1(USB2.0) HDMI入力 ×2 (HDMI2.0) ヘッドホン出力 ×1 |
スピーカー | 5W+5W(MaxxAudio対応) |
パネル | IPS(IPS Black) |
視野角 | 178°/ 178°(CR≧10) |
表面処理 | アンチグレア |
応答速度 | 5ms(GTG 応答速度Faster設定時) |
リフレッシュレート | 60Hz |
解像度 | 3,840 × 2,160 |
色域 | DCI-P3 98% |
コントラスト比 | 2000:1 |
LG 32UQ850V-Wと27UQ850V-Wの違いは?
27インチというサイズに由来する以外の違いは、下表のとおりです。
※LG公式の製品ページにて仕様を確認しているため、今後の製造都合やアップデート内容によっては変更になる可能性があります。下記の機能を必要とする方は、購入前に公式サイト(こちら)の仕様を確認してください。
DAS(Dynamic Action Sync)モードとは、映像をリアルタイムに表示する機能です。
通常、PCからモニターに映像を出力する際、映像処理とフレームバッファ格納という工程を経ます。
しかし、DASモードをオンにすると、映像処理とフレームバッファ格納を省略しての映像出力が可能です。
映像出力までに発生するラグを抑えられるため、FPSやTPSのゲームなど、高いリフレッシュレートを要求するゲームをプレイしたい人に適した機能と言えるでしょう。
32UQ850V-W | 27UQ850V-W | |
DAS(Dynamic Action Sync)モード | ○ | × |
ブルーライト低減モード | ○ | × |
LG 32UQ850V-Wをレビュー
LG 32UQ850V-Wを開封から、実際に使用するまでを順番にレビューします。
開封&同梱物
梱包サイズは821 × 213 × 507 mm、ヤマト運輸だと160サイズ(縦+横+奥行、25kgまで)で、かなり大きいですね。
※この160サイズが今後重要になるとは…(→関連記事はこちら)
Amazonプライムデーのお忙しい中、ヤマト運輸の配達員さん、配送していただきありがとうございます。
開封してみると、ノートパソコンが1台あれば、すぐに使用できる付属品が入っていました。
電源だけでなく、ケーブルまでホワイトに統一されています。
しかし、デスクをホワイトで統一しようと考えている人は注意してください。
パネルのフレームはブラック、モニタースタンドはシルバーと、正面から見る本製品はホワイトではありません…
セットアップ
筆者の使用環境に合わせて、モニターの各端子に接続すると以下のようになります。
DP:Mac mini(C to DisplayPort)
USB Type-C:ノートパソコン(使用時のみ接続)
HDMI 1:PlayStation 4 Pro(HDMI to HDMI)
HDMI 2:Nintendo Switch(HDMI to HDMI)
ヘッドホン出力:Bose Companion 2 Series III multimedia speaker system
USB Tyep-A 1:空き
USB Tyep-A 2:空き
映像入力できる端子が4つに増えたため、今まで使用していたHDMI分配器の必要がなくなり、デスク周りがスッキリしました。
また、本製品にはヘッドホン出力端子が搭載されており、入力機器への分岐も必要なくなり、ハード面でもソフト面でも音声切り替えの手間がなくなったのは大きなメリットです。
ちなみに、内蔵スピーカー(5W×2)の音質についてですが、外部スピーカを接続する前に視聴しました。
格安モニターにありがちな音に比べると良いですが、iPhone 15 Proの内蔵スピーカーの方が良いです。
したがって、内蔵スピーカーはおまけ程度と考え、過度な期待はしないほうが良いでしょう。
音にこだわりたい人は、別途スピーカーを用意するのがおすすめです。
スタンド
LG 32UQ850V-Wのスタンドは、工具無しのワンタッチで取り付けられます。
高さや角度調節がしやすい点と、デザインもシンプルな点から、今回はモニターアームではなく付属のスタンドを使用することに決定。
稼働範囲で気になるのは高さ、特に設置したデスクとモニター下部フレームの空間かと思います。
モニターを机に対して約90度(チルト約0°)に固定した状態だと、以下のようになります。
- 最小まで下げると、設置面からモニター下まで67cm
- 最大まで上げると、設置面からモニター下まで177cm
また、スタンドの幅(最も開いた部分)は420mm, 奥行き(支柱の直径含む)は240mmです。
モニターデスクを使用する人は、幅500mm, 奥行き250mm以上の製品を用意するのが良いでしょう。
操作性
操作する機会が多くなりそうな、音量と出力の切り替え操作についてです。
本製品の各種設定は、モニター中央下部(LGロゴの下)にあるOSDジョイスティックで行います。
多くのモニターで採用されているボタン操作に比べて、OSDジョイスティックの方が直感的に操作できます。
OSDジョイスティクによる映像入力の切り替えと自動切り替えを試したところ、反応スピードに不満はなく良好と言える印象を受けました。
圧倒的な映像美
モニターはIPSとVAのFHD、テレビは4Kで映像視聴をした経験はあるのですが…
今まで見てきたパネルの中では、映像がダントツに美しいです。
特にIPS Blackと言うだけあって、黒のグラデーションは細部まで体感できます。
宇宙での戦闘シーンが多い作品(機動戦士ガンダムなど)のような、黒が背景になるアニメやゲームを見ると感動するレベルです。
テレビの光沢4Kや、IPSのFHDとはひと味違うIPS Blackパネル。
映像美を理由に購入を悩まれている方は、可能ならば店頭などで体感するのがおすすめです。
また、ベゼルについては細くて美しいのもポイント。
ベゼルは非表示領域を含めて、上左右:約8mm、下:約20mm。
動画視聴やゲーミング時など、没入感をより高めてくれています。
LG 32UQ850V-W 5つのメリット
LG 32UQ850V-Wを約1ヶ月ほど使用してわかったメリットは、下記の5つです。
それぞれのメリットについて、順番に紹介します。
- 黒が美しい
- 端子が豊富
- ハブ機能が便利
- スタンド機能が優秀
- OSDジョイスティックの操作性が良い
1. 黒が美しい
LG 32UQ850V-Wの魅力であるIPS Blackパネルにより、ブラックがとにかく美しいです。
IPS Blackパネルはデザイン用途だけでなく、動画視聴やゲームなどでも性能を発揮します。
アニメや映画でシーンが暗転しても、アンチグレアにより自分の顔や背景が映らないのもメリット。
また、事務用途には過剰スペックと思われるかもしれませんが、実際に使用すると他のモニターには戻れなくなるでしょう。
これまで使用していたモニターでは、長時間使用すると目が疲れて、文字フォントがにじむように見えていました。
しかし、本製品に買い替えてからは、解像度が上がったことも影響しているのか、文字フォントがはっきりと見えています。
デザイン用途だけでなく、動画視聴やゲーム、さらには事務用途など、さまざまな使用シーンにおいてLG 32UQ850V-Wはおすすめです。
2. 端子が豊富
LG 32UQ850V-Wの端子は豊富で、特に映像を出力できる入力端子は4つもあるのがメリットです。
今まではHDMI分配器を経由することで、複数の入力機器を接続していました。
本製品に買い替えてからは、使用用途にあった端子数のため、HDMI分配器は不要になりました。
さらに本製品の良いポイントは、音声出力端子がモニターにあること。
入力端子が複数あっても、音声出力端子がモニターにない場合、入力機器と音声出力端子をそれぞれ接続する必要があります。
もしくは音声切替用の機器を導入する必要があり、入力切り替え時に音声切り替えの操作も必要になってしまうのがデメリットです。
また、本製品は自動入力切り替えだけでなく、OSDジョイスティックでも切り替えできるので、入力機器機の切り替え時にストレスを感じたことはありません。
4台以下の入力機器を使用する人は、LG 32UQ850V-Wを購入すれば、分配器を使わず直接接続できるのでおすすめです。
3. ハブ機能が便利
LG 32UQ850V-Wには、ハブ機能が備わっています。
ノートパソコンと本製品をUSB Type-Cケーブル1本で接続することで、本製品のUSB-Aポートに接続したキーボードやマウスと接続可能です。
※USBハブ機能がうまく動作しない時は、付属のUSBケーブルを本製品とノートパソコンに接続してください。
メイン機がノートパソコンの人は、LG 32UQ850V-Wのハブ機能が便利でおすすめです。
4. スタンド機能が優秀
LG 32UQ850V-Wに付属するスタンドは、工具なしのワンタッチで脱着できるのがメリットです。
また、上下の高さ調整は信じられないほど滑らかなのもポイント。
軽い力で上下に動くにも関わらず、時間が経過しても自然に落ちてきません。
したがって、パネルを頻繁に大きく動かさないなら、付属のスタンド調整機能でも十分に対応できるでしょう。
以前まで使用していたモニターがチルトしか調整できず、モニターアームを使用していたのですが、本製品への買い替えをきっかけに撤去しました。
モニターアームを追加で購入したくない人や、スタンドの機能だけで調整したい人にLG 32UQ850V-Wはおすすめです。
5. OSDジョイスティックの操作性が良い
LG 32UQ850V-Wは、高級モニターとして購入した初めての製品です。
今まで使用していたモニターの多くは、輝度や画質調整をする際、パネル下にあるボタンで操作していました。
機種やメーカーによって操作感は多少異なりますが、ボタン操作は直感に反することが多く、操作ミスが多い印象を受けます。
一方、本製品の各種設定に使用するのは、パネル中央下部にあるOSDジョイスティックです。
操作画面内で上下に移動させたければスティックを手前と奥に倒し、左右の移動は左右に倒します。
直感どおりの操作性に加えて、反応も良くストレスはありません。
使用用途が仕事以外にも、動画視聴やゲーミングなどを予定していて、それぞれに応じた画質設定をしたい人にLG 32UQ850V-Wはおすすめです。
LG 32UQ850V-W 3つのデメリット
LG 32UQ850V-Wを約1ヶ月ほど使用してわかったデメリットは、下記の3つです。
それぞれのデメリットについて、順番に紹介します。
- 価格が高い
- ハブ機能を利用するならケーブルに注意
- 電源アダプターがデカすぎ
1. 価格が高い
LG 32UQ850V-Wは、LGの直販サイト記載価格で104,280円です。
価格に見合うスペックとメリットは十分に感じますが、購入するなら間違いなくセール時がおすすめ。
どうしても急ぎで欲しい場合や、非セール時でもお得に購入したい場合は、Amazonアウトレット(詳細はこちら)を選択肢に入れるのも良いでしょう。
Amazonアウトレットは割引率が大きいこともあり、在庫数が少ないことも影響してすぐに売り切れます。
欲しい商品をAmazonアウトレットで狙う場合は、ほしいものリストに入れて、商品ページにある「Amazonの他の出品者」を頻繁にチェックしましょう。
ただし、製品状態によっては傷が目立つ個体もあるので、購入時は商品のコンディションを確認してください。
2. ハブ機能を利用するならケーブルに注意
LG 32UQ850V-Wのメリットのひとつが、ハブ機能の搭載です。
しかし、使用するケーブルやパソコンによってはうまく機能しない場合があるので注意しましょう。
筆者のようにC to DisplayPortケーブルを使用したり、C to HDMIケーブルやHDMI to HDMIケーブルを単体で使用してもハブ機能は活かせないので注意してください。
C to DisplayPortは単方向のみのサポートで、HDMIは映像出力のみに対応しているためです。
したがって、ハブ機能を活かしたい人は、付属のUSB Type-Cケーブルで接続することを念頭に購入するのが良いでしょう。
ハブ機能をうまく使用できない場合は、付属のUSBケーブルも併用してみてください。
3. 電源アダプターがデカすぎ
LG 32UQ850V-Wは本体がそこそこ大きく重たいにも関わらず、電源ユニットが内蔵ではなく、別置きのアダプターになります(テレビに多いタイプ)。
付属するアダプターのサイズは180 × 85 × 29mm、重さ約885gです。
モニター使用時には、アダプターの表面が人肌程度に発熱します。
ケーブルトレーに乗せたり、ケーブル収納ケースに入れたりする場合は、他のケーブルがアダプターに触れないような配線と風通しを考えましょう。
LG 32UQ850V-Wと合わせて購入したもの
LG 32UQ850V-Wと合わせて購入した製品と、以前から使用している製品を2つ紹介します。
C to DisplayPortケーブル
サブ機のノートパソコンを接続する機会があることから、USB-Cポートは開けておく必要があるため、メイン機(Mac mini)はDisplayPortに接続しなければなりませんでした。
しかし、残念ながらMac miniにはDisplayPortはありません。
そこで購入した製品が、UGREENのC to DisplayPortケーブルです。
8K60Hzまで対応しているケーブルで性能は必要十分、かつ柔軟なケーブルで配線しやすいのがメリットです。
ただし、本製品を購入しようと考えている人は、本製品が単方向のケーブルであることに注意してください。
モニターにC、パソコンにDisplayPortを接続しても使えません。
また、モニター側にマウスやキーボードを接続しても、単方向のため入力信号がパソコンに届かず、マウスやキーボードの操作は反映されません。
モニターのハブ機能を活かしたい人は、付属のDisplayPort to DisplayPortもしくはC to Cケーブル。
ハブ機能がうまく機能しない場合には、付属のUSBケーブルも接続してください。
モニターライト
以前から使用していたBenQ ScreenBarを、LG 32UQ850V-Wにそのまま流用しています。
本製品はモニターから給電することで、点灯と消灯をモニターのオンオフと合わせられるのがメリットです。
しかし、筆者はあえてUSB充電器を用いて別給電にしています(本製品はボタンによる点灯消灯が可能)。
別給電にすることにより、モニターを使用しない作業(例えばノートを書くなど)でも、デスクを照らすデスクライトとして使えます。
デスクライトを別に用意しなくても良いので、モニターライトの購入を考えている人には本製品がおすすめです。
マルチディスプレイなら同じものを買うべきか?
4KモニターのLG 32UQ850V-Wと、VAパネルFHDパネルのマルチディスプレイ環境ですが、VAの画質は見劣りします。
VAのモニターは安価であるため、ベゼル幅は非表示領域も含めて12mm程度と、本製品8mmの1.5倍。
横にピッタリ合わせても20mmと、非表示領域を強く体感してしまいます。
またサイズも27インチと、本製品より4インチ以上小さく、並べて使用すると違和感を感じざるをえません。
正直に言うと、本製品をもう1台買うのが便利なんですが…
とりあえずは、既存モニターとのマルチディスプレイ環境で、しばらくは様子見をします。
高級モニターで機能もてんこ盛りで、素晴らしい映像美を堪能できるのがLG 32UQ850V-Wのメリットです。
仕事も趣味も楽しみたい人は、ぜひ本製品を導入してIPS Blackの素晴らしさを体感してください。
【追記】残念ながらハズレ個体を引いたのか、使用から1ヶ月未満で故障しました。
サポートに問い合わせた結果やLGサポートについて知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。