とても便利なネット通販では、在庫・居住地・注文時間など、条件がそろえば最短で注文した当日に届きます。
その便利さゆえに、生活家電もネット通販で頼む方がおられるのではないでしょうか?
玄関先の受け渡しが基本となるネット通販では、設置工事は別途費用になることはもちろん、部屋内にも運んでもらえないことがあります。
そこで本記事では「ネットで注文するのは少し待って!」という生活家電5選を理由も含めてご紹介いたします。
ルームエアコン「資格・工具・部材が必要」
新たに設置するときにも、更新するときにも、標準工事が絶対に必要な生活家電がルームエアコンです!
「付け替えるだけでしょ?」と甘く見てはいけません。
筆者は空調SEだったので、お客様や知人や親戚などからいろいろ聞かれました。
- ルームエアコンって素人でも取り付けられるの?
- 中古で機器本体を買ったけど、どうやったらつけられるの?
- A部屋とB部屋のルームエアコンを交換したいけど、どうすればいいの?
いずれの相談に対しても答えはひとつ、「素人ひとりでできる作業ではありません」。
そして「家電量販店や工務店や設備業者に相談してください」と回答しています。
(元空調SEの筆者でも、必要な工具や部材すべてを個人では所有していません。もちろん「こうした方がいいよ」などのアドバイスはできます。)

作業には必要な資格があります!
冷媒配管工事(室外機と室内機をつなぐ配管の脱着工事)には、第一種または第二種冷媒フロン類取扱技術者の資格が必要。
ルームエアコン内部に充填されている冷媒(フロン)は、フロン排出抑制法と呼ばれる法律で厳しく扱われています。
ルームエアコンを脱着する際に、冷媒(フロン)をみだりに放出してしまうと、法律で罰されるので覚えておきましょう。
他にも隠ぺい配管(天井裏などに配管が通されている)や更新時には、配管を溶接する作業が必要な場合もあり、ガス溶接技能講習の資格も必要となります。
また、電気工事(ブレーカー交換など)の際には、第一種または第二種電気工事士の資格が必要です。
いずれの作業にも資格はもちろん、経験が必要な作業も多く、素人が簡単にできる作業だとは思わない方がいいでしょう。
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必要工具は数多く、専門工具も必要!
ルームエアコンの取り付けには必要な工具の種類も多く、配管工事には「真空ポンプ」や「ゲージマニホールド」や「フレアツール」など、電気工事にも多くの専門工具が必要となります。
配管部材、電材、ラッキングなど雑材消耗品も数多く必要で、すべてをホームセンターで揃えるとかなりの金額となります。
工数と部材費を考えた時、自分で作業するよりも量販店や専門業者に頼んだ方が、はるかに安くなる場合が多いです。
捨てる際も要注意!
「使わなくなったから、大型ごみでルームエアコンを捨てる」のはダメです!ルームエアコンは家電リサイクルの対象です。
また、ルームエアコン内部には冷媒(フロン)が充填されているので、ポンプダウンと呼ばれる作業が必要になります。
(ポンプダウン:室内機の冷媒を室外機に移動させ、室内機に冷媒が残らないようにする作業。)
冷媒(フロン)が入っていないと推測される場合も、資格を持った作業者が「冷媒がない(残圧がゼロ)」ことを確認しなければなりません。
捨てる際にも、家電量販店や工務店や設備業者の担当者に必ず相談しましょう。
冷蔵庫「一人で運ぶのが困難」
コンセントの差し替えだけで済みそうな冷蔵庫ですが、本体の重さを確認しましたか?
ネット通販で購入して、玄関先渡しで依頼すると、配達員さんに部屋まで運んでもらえませんよ。
コンパクトで軽い一人用の冷蔵庫ならば、力自慢の方であればどうにかなるかもしれません(それでも結構重いです)。
一般的な家庭用の冷蔵庫を、一人ではそう簡単に運べません。

搬入搬出経路を確認すること!
冷蔵庫を新しく買う場合も、更新する場合も、必ず「搬入搬出経路」を確認しましょう。
- 冷蔵庫の置く場所を決めて寸法を測る。この時、機器だけではなく設置スペースも確認すること(冷蔵庫と壁の間にスペースが必要な場合が多い)。
- 1で調べた寸法に合う冷蔵庫を選ぶ(家族構成から容量、デザイン、色など、冷蔵庫の種類によっては右開きか左開きかも選ぶ)。
- 設置場所から玄関先まで、冷蔵庫が通るかどうか確認する。段差がある場合は、段差の高さも測っておくことがオススメ。
- 玄関先から配送トラックが停まるであろう場所まで確認する。エレベーター(できれば重さ制限も確認)や階段の有無。
上記の手順が難しいと思った時や、搬入搬出できるのかな?と心配になった時は、遠慮せずに現場調査を依頼してみましょう。
床の傷つきに注意
一般的な家庭用冷蔵庫は非常に重たいものが多く、設置すると動かすことは早々ありませんよね?
賃貸の場合は特に注意が必要で、退去時に床に傷やヘコミがあると修繕費を請求されます。
冷蔵庫を購入してから搬入されるまでの間に、耐震シートや転倒防止グッズを購入しておきましょう。
いずれの商品も、家電量販店ではオプションで購入できる場合がありますので、購入時には店員さんに尋ねてみるのもオススメです。
更新時には床掃除ができるように、ぞうきんなどの掃除グッズを準備しておくのもいいでしょう。
洗濯機「重たくて給排水の接続も必要」
冷蔵庫と同様に、重たい生活家電で思い浮かぶのは洗濯機ではないでしょうか。
こちらは冷蔵庫よりも難易度が上がり、電源に加えて給水と排水の接続が必要となります。
とくに水まわりの接続を失敗すると、漏水の原因となりますので十分に注意しましょう。
マンションで二階以上にお住まいの方や、戸建てで二階以上に洗濯機を設置予定の方、漏水で下の階を水浸しにすると大変です。
こちらも購入する際には、家電量販店にて相談することをおすすめします。

搬入搬出経路を確認すること!
洗濯機を新しく買う場合も、更新する場合も、冷蔵庫と同様に必ず「搬入搬出経路」を確認しましょう。
- 洗濯機の置く場所を決めて寸法を測る。この時、機器だけではなく給水口と排水口と電源の位置も測る(写真に寸法を書き込むのがおすすめ)。
- 1で調べた寸法に合う洗濯機を選ぶ(家族構成から容量、デザイン、色など、ドラム型の場合は右開きか左開きに十分注意)。
- 設置場所から玄関先まで、洗濯機が通るかどうか確認する。段差がある場合は、段差の高さも測っておくことがオススメ。
- 玄関先から配送トラックが停まるであろう場所まで確認する。エレベーター(できれば重さ制限も確認)や階段の有無。
上記の手順が難しいと思った時や、搬入搬出できるのかな?と心配になった時は、遠慮せずに現場調査を依頼してみましょう。
床の傷つきや振動に注意
一般的な洗濯機は非常に重たいものが多く、洗濯機を設置してから動かす人は少ないでしょう。
マンションの2階以上にお住いの方はもちろん、戸建てでもお勧めしたいのが、防振ゴムによるかさ上げです。
防振ゴムのかさ上げにより、洗濯時に発生する振動音の軽減が図れます。
洗濯機下を掃除しやすくなることに加えて、仮に排水溝が詰まってしまい水があふれても、洗濯機の浸水部が少なくて済みます。
家電量販店ではオプションで購入できる場合があるので、購入時に店員さんに尋ねてみるのもオススメです。
こちらも冷蔵庫と同様に、更新時には床掃除ができるよう、ぞうきんなどの掃除グッズを準備しておくのもいいでしょう。
逆止弁の取り付けを強く勧めます
標準で設置されている場合もありますが、蛇口から直接給水接続している場合に強くオススメしたい部品が「逆止弁(自動止水機能付き)」です。
水圧はあなたが想像しているよりも、はるかに強烈です。
経年劣化で給水ホースが外れそうだったり、給水ホースに穴が開きかけていたり、気付いた時にはあたり一面が水浸しになっているかもしれません。
そういった危険性を排除してくれるのが「逆止弁(自動止水機能付き)」です。
ぜひ洗濯機を取り付ける際には、購入を検討してください。
排水トラップエルボにご注意
賃貸は特に注意が必要で、あらかじめ備え付けられている場合が多い「排水トラップエルボ」です。
こちらの「排水トラップエルボ」ですが、引っ越し時に誤って持ち出したり、洗濯機の廃棄時に一緒に捨ててしまったり、そんな危険性がある部品です。
古いものであればもちろん交換が必要ですが、ない場合にも別途購入が必要です。
マンションや賃貸によっては管理されている場合がありますので、管理会社に聞くのもよいでしょう。
ちなみに筆者は、引っ越し前は管理会社のものでしたが、引っ越し後は自前となりました。
ウォシュレット「配管工事や電源工事が必要!?」
実はウォシュレットを単体で購入して、筆者は取り付けられずに失敗した経験があります。
幸いにもヤマダ電機でウォシュレット本体を購入していたので、別途工事費を支払い無事に設置していただけました。
「今は普通の便座がついていて、その便座を外してウォシュレットを付けるだけだでしょ?」と考えているそこのアナタ!非常に甘いです。
- トイレの給水を止めるバルブ、どこにあるか知っていますか?
- 給水配管に分岐はありますか?
- 配管サイズやパッキンのサイズは分かりますか?
- トイレ内に、電源コンセントはありますか?
そうです!意外と見るべきところは多く、難しそうですよね。
洗濯機と同様に、水回りで失敗すると漏水の危険もありますので、しっかりと専門業者に任せましょう。

事前確認のポイント
購入時には、現状のトイレの様子を写真撮影しておきましょう。
- 給水配管の全体写真を撮影(配管長を測定しておくといいです)。
- コンセントの有無の確認 →仮にコンセントがない場合は、電源工事が必要となる場合があります。
- 便座の大きさ(聞いた話では、だいたい規格もので決まっているらしいです)。
賃貸の場合は、交換前の便座を必ず保管しておきましょう。
退去時に元の便座に戻す必要があるかもしれません、元の便座は捨てないように注意してください。
おすすめしない「消臭機能」
筆者が個人的にオススメしないのが「消臭機能」がついているウォシュレット。
理由は簡単で、消臭機能を維持するには定期的なメンテナンスが必要だからです。
フィルタータイプであれば、ホコリがつまらないように清掃しなければいけません。
定期的に清掃しなければ、ウォシュレットが悪臭の元になる可能性もあります。
そもそも多くのトイレには、換気扇または窓がついていますよね。
不要な機能はなければ、その分だけメンテナンスをしなくて済みます。
テレビ「大型の場合は移動が大変」
テレビに関しては、セッティングと配線だけなので、そういう作業が苦でなければ問題ありません。
大きいほど重くなりますし、薄く破損防止の観点から2人以上の作業を推奨されているものもあります。
とは言いつつも画面に力を加えないように注意すれば、一人でも十分セッティングできます(筆者は50インチまでを一人で作業してます)。
一方で下記のような不安がある方は、頼んでしまう方が早く確実にセッティングしてもらえます。
- どの線をどのように接続するか分からない。
- 必要なケーブルの種類が分からない
- テレビのチャンネル設定の仕方が分からない。
ちなみに筆者は、自宅はもちろん親戚の家のテレビもセッティングしたことがあります。
慣れてしまえば、今まで挙げた家電よりも難易度がグッと下がるので、価格次第ではネットで購入してもいい生活家電かとは思います。

壁掛けやプロジェクターについて
壁掛けのTVの場合は、壁に専用の固定器具を付ける必要や配線を工夫する必要があります。
はじめて設置する際には、十分に注意してください。
テレビ本体が落下してしまうと、テレビ本体の破損や床の傷など手遅れです。
壁が白色の場合は、プロジェクターも選択肢としてありかもしれません。
筆者はプロジェクターにロマンを感じていますが、いかがでしょうか?
まとめ
生活家電を新設するときや、買い増しするときは、寸法や能力などを検討する必要があります。
一方で生活家電を買い替えるときには、寸法や能力はもちろん、古い機器の廃棄方法も追加で検討する必要があります。
特に廃棄に関しては、判断の難しいものや手間がかかるものが多いため、買い替える際には購入と合わせて不用品の回収も依頼しましょう。
例えば、上記のエアコンを始めとした大型の家電、バッテリー内蔵型の家電、PCやスマホなどの家電をそのまま捨ててはいけません。
いずれもの場合でも一人では悩まずに、家電量販店で店員さんに尋ねてはいかがでしょうか?
どこの店員さんであっても、きっと丁寧に説明してくれますよ。

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