高圧ガス保安協会の実施する試験には、試験対策のひとつとして講習検定が別途実施されています。
- 講習会の受講が本試験の受験資格ではないなら、わざわざ受講する必要はないはず…
- 講習会の受講費も、本試験の受験料とは別に支払う必要があるし…
- 本試験とは別に検定試験も受ける?だったら本試験で1発勝負をした方がいのでは…
そのように考えるあなたに、本記事では「高圧ガス保安協会の講習検定を受けるべきかどうか」についてメリット・デメリットを説明します。
筆者は過去に3回、高圧ガス保安協会の講習会に参加しました。そして講習検定を合格した後に本試験の合格!もちろん3回とも、講習検定も本試験も1度で合格しています。
本記事を読めば、講習会に参加すべきかど分かります。ぜひ最後まで本記事を読んでください。
合格したいなら受講推奨
まずは「高圧ガス保安協会の講習検定は受けるべきか?」の結論です。
- 試験に合格する確率を1%でも上げたい
- 試験勉強の負担を少しでも減らしたい
- 1回の挑戦で本試験に合格したい
など本試験に合格したい気持ちが強いならば、高圧ガス保安協会が実施する講習検定は受講すべきです。特に難易度の高い「甲種高圧ガス製造保安責任者」や「第一種冷凍機械責任者」の合格を目指す人には、受講することを強くすすめます。
実際に筆者は、第三種冷凍機械責任者・第一種冷凍機械責任者・高圧ガス一種販売主任者の3つに対して、それぞれ講習会を受講しました。もちろん受講した結果は、講習検定も本試験もすべて1度の挑戦で合格しています。
高圧ガス保安協会の実施する講習会に参加することは、効率的に合格を掴み取れる近道です!
受講するメリットは5つ
高圧ガス保安協会の講習検定を受講するメリットは、以下の5つです。
- 試験勉強時間と労力を削減できる
- 講習検定の過去問を購入できる
- 試験に出るポイントを教えてもらえる
- 本試験の受験時間を削減できる
- 翌年以降の受験でも免除を受けられる
それでは順に説明します。
1. 試験勉強時間と労力を削減できる
講習検定と本試験では出題される科目が異なるため、それぞれ試験対象の科目に絞って勉強できます。
例えば第一種冷凍機械責任者の場合、試験範囲は保安管理技術・学識・法令の3科目です。したがって検定試験の前は保安管理技術と学識に注力して、本試験前は法令だけを勉強すればOK。
難しい試験でも試験科目一部免除制度を利用すれば、時間と労力を削減できます。
2. 講習検定の過去問を購入できる
講習会を受講することで、講習検定の過去問題集を購入できます。この講習検定過去問題集については、店頭などで一般販売されていません。
筆者が講習を受講した際は対面講義のみだったこともあり、現地で過去問題集の内容をチェックできたのは助かりました。一般販売されている本試験の過去問題でも、講習検定の対策はある程度できます。
しかし講習検定に出題される問題の雰囲気を掴むためにも、可能な限り購入をおすすめします。
3. 試験に出るポイントを教えてもらえる
講習会では講習検定のポイントに加えて、本試験でも出題されるポイントを教えてもらえます。漫然と参考書のすべてを記憶するより、出題されるポイントを絞って教えてもらえるのは助かりますよね。
出題確定の情報ではないにしても、試験団体が運営する講習会のため予想的中率も高く「おっ!ここ講義でポイントって言ってた箇所だ!」となります。
4. 本試験の受験時間を削減できる
本試験の受験時に免除が適用されると、該当科目の受験時には席にいなくてOKです。免除が適応される受験者にとってはありがたいことに、免除のない科目の時間割が本試験で後回しされていももポイント!
例えば第一種冷凍機械責任者の本試験の時間割は以下の順で実施されます。
科目 | 実施時間 | 試験時間 |
法令 | 9:30〜10:30 | 60分 |
保安管理技術 | 11:10〜12:40 | 90分 |
学識 | 13:30〜15:30 | 120分 |
講習検定で合格していれば、なんと11時までに試験会場から退場できます。途中離席(開始から30分後)も可能なため、試験開始後の数十分後には退場することも可能!
当日は高圧ガス関連の試験が開催されている場合もあり、公共交通機関が混雑する前に利用できるのも大きなメリットですね。
一方で免除科目なしで受験する場合、試験時間がだんだん延びて、一番体力を使うであろう筆記式の学識が1日の最後になってしまいます。
5. 翌年以降の受験でも免除を受けられる
検定試験合格によるの本試験の一部免除には、なんと有効期限がありません!例えば当年度の本試験時に体調不良で欠席しても、翌年以降の受験でも免除制度を利用できます。
講習検定に合格しておけば、当年度以降の受験でいつでも免除制度を利用できるのは大きなメリットですよ。
受講するデメリットは3つ
高圧ガス保安協会の講習検定を受講するデメリットは、以下の3つです。
- 講習費用(+テキスト代)などが必要
- 講習会及び講習検定に参加する日程が必要
- 講習検定に不合格すると時間と労力が無駄になる
それでは順に説明します。
1. 講習費用(+テキスト代)などが必要
例えば第一種冷凍機械責任者の講習を受講する場合は以下のとおりです。
※記事内における費用は、令和5年度実施分を参照に執筆しています。
本試験受験料29,000円に加えて、講習会を受講するのであれば以下の費用がかかります。
費用項目 | 金額 | 税区分 |
講習会受講料 | 17,300円(電子申請) または 17,800円(書面申請) | 課税 |
上級冷凍受験テキスト | 4,000円 | 税込 |
冷凍関係法規集 | 1,800円 | 税込 |
高圧ガス保安概要(一・二・三冷凍機械編) | 710円 | 税込 |
第一種冷凍機械講習<検定問題・解説> | 300円 | 税込 |
合計 | 24,110円 |
上記に加えて各種書類の提出を郵便で提出する場合は、封筒代や切手代も必要になるので注意しましょう。さらには移動交通費や、遠方の場合は前泊に伴う宿泊費など予想以上に費用はかさみます。
※移動交通費を削減できるオンライン受講が、段階的に実施されている今がチャンス!(詳細はこちら)
本試験に合格して、免状交付時には収入証紙が必要になることをお忘れなく!名称の似た収入証紙と収入印紙を間違うと、費用が余分にかかり、免状の交付にも余計に時間がかかります。
※免状交付申請を出す都道府県によっては、「収入証紙」では受領してもらえないので注意しましょう。
2. 講習会及び講習検定に参加する日程が必要
いつでも・どこでも・何度でも受けられるオンライン講習が、高圧ガス保安協会の講習会でも段階的に実施されるようになりました。しかし講習検定の受験は、会場受験なので注意しましょう。
うっかり検定日に予定を入れてしまい、講習検定をパスしてしまうと、翌年は受講からの再スタートになります。
筆者が受講した当時は、対面講習しか選択肢がなく遅刻早退厳禁でした(法令に基づいた講習の為)。それに比べるとオンライン講義で受講のハードルは下がりましたが、予定の調整を疎かにしないようにしましょう。
3. 講習検定に不合格すると時間と労力が無駄になる
受講することに対して足踏みしている人が、一番に思い浮かぶ最大のデメリットが不合格でしょう。確かに不合格すると、講習会にかけた費用と時間が無駄になってしまいます。
「お金を払ったからには、何が何でも合格する!」という強い意志を持てない人には、費用も時間もかかる講習検定を強くはおすすめできません。
費用対効果は高い!1年で合格を目指そう
改めて講習検定を受講するメリットは以下のとおりです。
- 試験勉強時間と労力を削減できる
- 講習検定の過去問を購入できる
- 試験に出るポイントを教えてもらえる
- 本試験の受験時間を削減できる
- 翌年以降の受験でも免除を受けられる
高圧ガス保安協会が実施する本試験は1年に1回、しかも同日同時刻での実施です。したがって高圧ガス関連の資格を2つ挑戦するには、最低でも2年必要になります。
「不合格ならまた来年受験すればいいから」と思うのではなく、講習会に参加して、1%でも合格率を高くすべきかとは思いませんか?仕事と並行して試験勉強するのは、肉体的にも精神的にも時間的にもキツいですよ。
「絶対に合格したい!」「今年こそ合格したい!」と考えているならば、講習会の要綱を早めチェックしてください!受講者数には限りがあるので、今すぐ下のボタンから確認しておきましょう。